“幻の魚”リュウグウノツカイに驚き 萩博物館で公開(産経新聞)

 “幻の魚”と呼ばれる深海魚・リュウグウノツカイが27日、山口県萩市の萩博物館で公開され、入館者は長さ約4メートルの奇怪な姿に目を見張った。

 公開されたのは、今年1月29日に同県長門市の漁港に漂着したもの。珍しい魚を“生”の状態で見てもらおうと、寄贈を受けた同博物館が冷凍保存していた。

 これまで日本近海にはめったに現れなかったが、ここ数カ月で30匹以上も出現。訪れた人たちは「天変地異の前ぶれか、それとも吉兆か…」と話しながら、恐る恐る触ったり、記念写真を撮ったりしていた。28日まで。

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 枝野行政刷新相は27日、松江市で開かれた民主党島根県連の会合で講演し、4月下旬に始める事業仕分け第2弾に関し、「独立行政法人や公益法人のあり方と税金の使い方の無駄に大胆にメスが入る仕組みを秋くらいに出す」と述べ、事業仕分けの結果を踏まえ、独立行政法人などの抜本的な制度改革に関する基本方針を今秋にまとめる考えを示した。

 また、「日本が(東アジアで)一番早く明治維新という形で近代化の道を歩み始めた。朝鮮半島、李氏朝鮮も近代化しようと国内で頑張った若い人たちがいたが、日韓併合まで近代化することができなかった」と述べた。そのうえで、「明治維新のように、新しい時代に対応した政治や行政のシステムを作らないと、ひどいことになる」と語った。

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温水プール建設、ごみ焼却場で爆発8人重軽傷 兵庫・姫路(産経新聞)

 25日午前9時20分ごろ、兵庫県姫路市網干区網干浜、市ごみ焼却・リサイクル施設「エコパークあぼし」内にある健康増進センター建設工事現場で爆発があった。市消防局によると、作業員8人がやけどや骨折などの重軽傷を負い、病院に運ばれたという。

 県警網干署によると、爆発があったのは健康増進センター内の温水プール建設工事現場付近といい、詳しい原因を調べている。

 エコパークあぼしは、ごみ焼却施設のほか、焼却熱を利用した温水プールや、環境問題を学べる体験型施設などがあり、27日に完工式が行われ、4月から稼働する予定になっていた。

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<鳩山元総務相>自民離党 邦夫氏、孤独な戦い 与謝野氏、園田氏が距離(毎日新聞)

 新党結成を前提に自民党を離党した鳩山邦夫元総務相は当面、「孤独な戦い」を強いられそうな気配だ。連携相手と期待する自民党の与謝野馨元財務相、舛添要一前厚生労働相は慎重姿勢を崩さず、執行部に批判的な中堅・若手議員も16日、予定していた谷垣禎一総裁への直談判を中止して鳩山氏と距離を置いた。だが、谷垣氏の足元は揺らいだままで、党内では一連の新党騒動の余震が続いている。【坂口裕彦、野口武則、木下訓明】

 鳩山氏は16日、衆院本会議場で右前に座る与謝野氏に何度か話しかけた。この日朝、与謝野氏は東京都内の自宅前で記者団に「鳩山氏と連絡をとり、いろいろ話を聞いてみようと思う」と語っていたが、両氏が接触したのはこの場面だけ。新党で先走る鳩山氏との接触を懸念した与謝野氏側近の園田博之前幹事長代理が「会うのはやめた方がいい」と進言したためだ。

 本会議場での鳩山氏の「交渉」は続き、新党に意欲的な無所属の平沼赳夫元経済産業相とも短時間話したが、平沼氏から「ずいぶんオープンにしゃべったんだねえ」と皮肉られる始末。最後に兄の鳩山由紀夫首相に歩み寄り、「しばらく一人になります」と離党を報告すると、首相は「頑張ってください」と素っ気なく語った。鳩山氏は15日夜、舛添氏に電話し「勝手に名前を出して申し訳ない」と陳謝した。舛添氏は「気にしていない」と気遣いながらも、「(参院)予算委員会の筆頭理事に専念すべき時期だ」とクギを刺すのを忘れなかった。舛添氏は「あらゆる可能性をオープンにしているだけで、まだ何も決めていない」と様子見の構えだ。

 自民党執行部は、同調者が広がらない鳩山氏よりも、与謝野氏と園田氏の動きに神経をとがらせている。両氏がすぐ新党結成に踏み切る状況にはないものの、厳しい執行部批判が続けば、党の結束はおぼつかないためだ。大島理森幹事長は16日昼、国会議員の会合で同席した与謝野氏に握手を求め、「谷垣氏と話し合ってほしい」と持ちかけたが、与謝野氏は答えをはぐらかすばかりだった。

 ◇中堅・若手、総裁に直談判中止

 執行部刷新を求める山本一太参院議員ら中堅・若手は、16日午後に設定した谷垣氏との面会を急きょキャンセルした。事前の会合で「鳩山氏と連動しているように見られるのはいかがか」(平沢勝栄元副内閣相)という慎重意見が相次いだためだ。党内には、首相と同様に実母からの資金提供問題を抱える鳩山氏への不信が根強い。

 谷川秀善参院幹事長は16日の記者会見で「首相を大脱税王と言ったのだから、あの人(邦夫氏)も同じ脱税王だ。私は自民党としてしっかり対応する必要があると思っていたが、向こうが先に飛び出した」と鳩山氏に不快感を示し、谷垣氏の指示通り党紀委員会で早急に処分してけじめをつけるよう求めた。

 谷垣氏は16日、党代議士会で「日限を区切って『新党を作る』という議論になると、明らかに党の団結、参院選の勝利の障害となる。総裁として死にもの狂いで参院選に向かう態勢を作っていきたい」と訴えた。続いて当選1回の伊東良孝衆院議員が「谷垣総裁のもと一致結束して参院選に最大の力を発揮してほしい」と発言すると、谷垣氏は腰を浮かせて深く頭を下げた。

 だが、これで党内の不満が解消されたわけではない。礒崎陽輔参院議員らが16日に谷垣氏と大島氏に要望したシャドーキャビネット(影の内閣)設置には、党所属国会議員55人が賛同した。大島氏は「真剣に検討したい」と応じたが、谷垣氏は「民主党の二番せんじ」を嫌って影の内閣にはもともと消極的だ。この日の党役員連絡会では「党が一つにまとまるための具体的な方策を考えるべきだ」と注文がついた。執行部が何らかの手を打たなければ、批判は再燃しかねない。

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王将戦、羽生が2勝目(産経新聞)

 将棋の羽生善治王将(棋聖・名人・王座)に久保利明棋王が挑戦している第59期王将戦七番勝負の第5局は、10日午前9時から和歌山県白浜町の「コガノイベイホテル」で行われ、11日午後7時8分、116手までで後手の羽生が勝ち、対戦成績を2勝3敗とした。第6局は16、17の両日、神奈川県秦野市で行われる。

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日弁連会長に宇都宮氏、路線転換訴え主流派破る(読売新聞)

 日本弁護士連合会(日弁連)の次期会長選挙は10日、全会員による直接選挙になった1975年以降、初めてとなる再投票が行われ、東京弁護士会の宇都宮健児氏(63)が9720票(仮集計)を獲得し、8284票(同)を得た同会の山本剛嗣氏(66)を破って次期会長に内定した。

 投票率は63・19%だった。任期は4月1日から2年間。

 東京の三つの弁護士会や大阪弁護士会の主流派に推され、現執行部の司法改革路線の継承を掲げた山本氏に、多重債務者問題などに取り組み、知名度が高い宇都宮氏が挑んだ。宇都宮氏は現執行部の路線転換を訴えており、法曹人口の大幅増員を柱とする司法改革にも影響を与えるとみられる。

 会長選には最多得票を得るだけでなく、全52の弁護士会の3分の1超にあたる18会以上でトップの票を得ないと当選できないとの規定がある。2月5日の1回目の投票では、山本氏の総得票が宇都宮氏を上回ったが、弁護士会数で勝ったのは9会にとどまったため当選者は決まらなかった。

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核密約、10政権でリレー=「佐藤−海部」記録が裏付け(時事通信)

 核兵器を搭載した米艦船の寄港を事実上黙認する政府方針が、佐藤内閣から海部内閣までの10政権で確実に引き継がれていたことが、9日に開示された日米の「核持ち込み密約」の関連文書で裏付けられた。
 佐藤政権下の1968年1月に東郷文彦外務省北米局長が作成した「極秘」扱いの文書は、核搭載艦船の寄港が「核兵器の持ち込みに当たらない」とする米政府の見解や、日米間で突っ込んだ議論を行わずに事実上認めてきた経緯を明記。その上で「日本周辺の外的情勢、国内の核問題の認識に大きな変動あるごとき条件が生じるまで、現在の立場を続ける」としている。
 この文書の欄外には、佐藤内閣から宇野内閣までの首相や外相に外務省幹部から文書の内容が説明されたことが日付とともに記録されている。また、89年8月に栗山尚一外務事務次官が海部俊樹首相と中山太郎外相に説明したことを記したメモも添付されている。この引き継ぎについては、竹下内閣などで外務事務次官を務めた村田良平氏が昨年6月、実名で証言していた。 

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 啓蟄(けいちつ)の6日、白地に鮮やかな黒い線と斑点が特徴のチョウ「オオゴマダラ」が兵庫県伊丹市の伊丹市昆虫館で羽化した。羽を広げると10〜15センチになり日本最大級。羽化後は18度以上に保たれた温室に移され、熱帯の花々の間で優雅な舞を披露する。

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 啓蟄は冬ごもりの虫がはい出るという意味で、二十四節気の一つ。昆虫館では、1年を通じ、14種約1万匹のチョウが羽化する予定という。問い合わせは同館(072・785・3582)。【幾島健太郎】

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2年後の改定、複数科の再診料が争点に(医療介護CBニュース)

【第99回】西澤寛俊さん(全日本病院協会会長)

 10年ぶりにネット(総額)でプラスとなる来年度の診療報酬改定。勤務医の負担軽減などから、今回は病院側に手厚かったものの、病院団体が要望していた入院基本料の底上げには至らなかった。また、外来の財源枠があらかじめ決まっていたため、病診の再診料統一をめぐる議論が紛糾し、複数科の再診料の検討も見送られた。中央社会保険医療協議会(中医協)の委員を務める全日本病院協会の西澤寛俊会長は、2年後の改定では複数科の再診料が争点になると強調する。西澤会長に来年度改定の評価と、中医協の今後の在り方などについて聞いた。(敦賀陽平)

■来年度改定、「大病院には非常によかった」

―来年度の報酬改定をどのように評価していますか。

 ネットでプラスになったことは評価したいと思います。本音を言えば、もう1ケタぐらい付くのではないかとの期待を持っていました。民主党のマニフェスト(政権公約)などで、われわれ(医療者側)にかなり大きな期待を持たせたなと。ただ、税収の伸び悩みなどを考えると、厚生労働省の政務三役は頑張ったと思います。
 病院全体を見ても、いい改定だったと言えるでしょう。特に救急、産科、小児科などがあり、かなり高度な手術をやっている大病院にとっては非常によかった。中小や慢性期医療を担っている病院への恩恵はそれほど大きくありませんが、過去10年の状況を考えると、かなり改善されたと思います。

―外来と入院の財源枠が初めて示されましたが、これをどのようにとらえていますか。

 社保審(社会保障審議会)の基本方針があり、内閣で改定率が決まっていた上、入院の財源枠の中でも4000億円は急性期医療といった縛りもあった。これは非常にやりづらかったですね。もう少し自由度があってもよかったと思います。決して、単純に分けられる話ではありません。われわれ、病院経営者はトータルで判断しなければならないので、改定に関してもバランスを考えますから。

―政権交代で中医協人事が難航し、改定の議論が1か月遅れましたが、その影響はありましたか。

 影響は非常に大きかったですね。もっと議論の時間が欲しかった。もともと、中医協で改定の議論がスタートするのは遅いのに、それがさらに遅れた。今回、社保審の医療部会と医療保険部会がいつもより早く開かれましたが、結果として、その意味がなくなってしまった。細かい部分では、もっと議論すべき点もあったのかなと。基本方針にのっとって各項目を評価する前に、もう少し基本的な議論があってもよかったと思います。
 一つの象徴が、再診料だったのではないでしょうか。ほとんど議論しないまま、「この財源枠の中でどうするか」というところから始まったのは、やはり不満が残ります。再診料は、外来の点数の技術料の最たるものです。「技術料とは何なのか」「そこに何が入っているのか」という議論が必要だったと思う。また、最終的に全体の財源で決まるのはやむを得ないにしても、その財源自体、われわれは絶対的に少ないと考えているわけですから、それを共通の認識にした上で、議論するなり点数を付けるというのが筋ではないでしょうか。これらの議論が抜けてしまったのは、すごく残念だと思います。

―日本医師会の執行部の委員が外れたことについて、どのようにお考えですか。

 前回改定までは、日医を中心に全体の流れがほとんど決まっていました。ただ、それはよい面もあったと思います。早い段階から診療側で議論をして、ある程度の考えをまとめてから、中医協の議論に臨むことができましたし、お互いの考え方もよく分かっていた。しかし、今回は「ぶっつけ本番」のような形になったので、そういう意味では、これまでとは違いましたね。最初は議論がどう進むのか非常に不安でしたが、(診療側の)新しい先生方はしっかりした見識を持った方ばかりで、非常にいいチームだったと思います。

■明細書の無料化、「冷静な議論があってもよかった」

―来年度から、病院(200床未満)の再診料が9点上がる一方、診療所は2点下がります。200床以上の外来診療料は点数が据え置かれましたが、再診料をめぐる議論を振り返っていかがですか。

 わたしたちは入院と外来、トータルで考えました。外来だけを見ると、「どうして200床未満だけで、200床以上は点数が付かなかったのか」という話になりますが、トータルで考えると、入院は200床以上に重点的に付いている。中小病院は、救急もあまり高度なことはやっていませんし、難しい手術もそれほど多くありません。産科や小児科をしているところも少ないので、入院ではあまり評価されないことになる。だから、外来でその分を配慮してもらったということです。外来の財源枠は400億円と決まっていたので、全体のバランスを考えた上で、外来診療料については見送らざるを得ませんでした。

―レセプト(診療報酬明細書)並みの明細書の窓口での発行が、来年度から原則として無料になります。

 きちんと議論ができなかったという意味では、これも悔いが残ります。もう少し冷静な議論があってもよかったのではないでしょうか。われわれが毎回明細書を出す必要はないのではと主張すると、情報を隠そうとしていると取られてしまった。それがすごく残念ですね。方法論として、どれだけの患者さんが望んでいるのかというデータと議論があってもよかったと思います。ただ、これは中医協ではなく、社保審の医療保険部会で議論すべきだったのかもしれません。

―日本病院団体協議会(日病協)の要望のうち、入院基本料の大幅な引き上げは実現しませんでしたが、一方で、急性期の病院に対する看護補助者への加算が新設されました。

 すべての入院基本料の底上げにはなりませんでしたが、14日以内の入院早期の加算を22点引き上げたほか、10対1に「一般病棟看護必要度評価加算」として、1日5点の算定を認めるなど、加算である程度は評価されたと言えます。また、急性期病棟への看護補助者の配置を評価する「急性期看護補助体制加算」も新設されました。この算定期間は14日までですが、かなり点数が付いています。そういう意味では、限られた財源の中で、厚労省なりに考えたと思っています。

―療養病棟入院基本料の点数が、看護配置と重症度に応じて2段階になります。

 これまでは20対1も25対1も同じ点数で、医療区分で大きく差がついていました。20対1の要件として、患者さんの8割以上は医療区分2、3なので、その分で人件費が出るという考え方です。今回は看護職員や看護補助者の配置だけでなく、患者さんの重症度を考慮した点数になりました。一つの考え方としてはいいと思いますね。ただ、付いた点数をどう評価するかは別で、それが実際のコストに見合っているかと言えば、若干ずれています。

―来年度から、現在の調整係数に代わる新たな機能評価係数が25%導入されますが、これを含め、DPCをめぐる議論をどう評価しますか。

 調整係数を廃止することは前回の改定で決まったわけですから、新たな機能評価係数に関する議論そのものはよかったのではないでしょうか。
 ただ、DPC評価分科会の議論を聞いて、現在の調整係数を新たな機能評価係数に代えるのは至難の業だという印象を持っています。来年度の改定では、6項目を係数として導入することが決まりましたが、「救急医療」は他の項目とは少し性質が異なります。患者さんの数で決めるわけですから、ちょっと違うような気もします。「地域医療」については、基本的な考え方はいいんですが、要件は今後さらに検討する必要があると思います。来年度から段階的に導入されるので、その過程を検証し、それを基に議論することで、さらにいい係数になるのではないでしょうか。もちろん、今のDPC自体も、まだまだ改善の余地があるので、並行して議論する必要があると思っています。

―看護職の月平均夜勤72時間以内の要件(72時間ルール)については、72時間ルールのみを満たせない場合の入院基本料の減額を20%に抑える緩和措置が設けられます。この算定期間をめぐっては、最終的に公益裁定となりました。

 わたしたちが72時間ルールの廃止を求めたのは、「本当に困っている。何とかしてほしい」との看護の現場の声があったからです。ただ、これについては感情論になってしまい、議論にならなかったような気がします。
 入院基本料の減額には、看護職の人員が基準を下回った場合と、72時間ルールのみが満たせない場合の2つのケースがあります。今回は72時間ルールのみが満たせない場合でしたが、それを理解していない委員もいて、議論が一部ぐちゃぐちゃになっていました。一定の措置はあるものの、要件が満たせなくなって、特別入院基本料575点まで一気に下がれば、病院がつぶれるわけですよ。どこも頑張っているけれど、できないから少し何とかしてほしいと。一気に殺さないでくれというだけなんです。今回の緩和措置で少し余裕ができたので、特に夜勤ができる看護師さんが少ない地方の病院は助かるのではないでしょうか。
 ただ、基準以上の人員が要るわけですから、どのような勤務体系を組むかは、医療機関に任せてほしい。患者さんを第一に考え、看護師さんも働きやすい方法を現場で考えるわけですから、72時間を強要するのはおかしいと思います。

■社保審を含めた「中医協改革」を

―日病協の要望書では、患者が複数科を受診した場合、2科目以降の再診料も算定できるよう求めていました。今回は外来の財源枠があらかじめ決まっていたため、診療所側に配慮して見送った形となりましたが、2年後の改定ではこれが争点となるのでしょうか。

 なるでしょうね。ただ、これにはかなりの財源が必要です。病院の再診料を1点上げた場合、影響額は約20億円ですが、200床以上の外来診療料を含めると、約40億円になります。病院の再診料を現行の60点とし、2科目以降を半分の30点と仮定すると、すべての患者さんが2科目を受診した場合、単純計算では1200億。その半分で600億、3分の1でも400億円必要です。外来の財源が400億の段階で、既に付けられないと思いました。かといって、2科目以降が10点では、「そんな点数だったら…」という話になると思うんです。だから、今回は議論できませんでした。ただ、次回は必ず実現したいと思っています。ただ、財源がなければ不可能なので、大幅なアップを要求していこうと思っています。

―診療側は答申後の記者会見で、「中医協改革」を主張していました。民主党もそれを掲げていますが、今後、中医協はどう在るべきだとお考えですか。

 2006年度の改定から、基本方針は社保審の医療部会と医療保険部会で決まっています。それ以来、中医協の役割は非常に狭まったと感じていますが、同時に、われわれはその枠の中でしか議論できないと考え過ぎているとも思っています。ですから、医療部会と医療保険部会を含めた上で、「中医協はどう在るべきか」という議論が必要ではないでしょうか。逆に言うと、医療部会と医療保険部会がもっと変わる必要があるということです。あそこが変わらない限り、中医協も変わらないと思います。


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